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実子が小学生だった頃と少し違ったのは、役員を引き受けたこと。
『仕事が忙しい』などと、何やかんや理由を作っては逃れ続けていたのが本当の所で、「子供の父兄の付き合いなどは、まかせるよ」と家内に押しつけていました。会社にも近所にも同様の輩を見いだしては一種の安心感を得ていました。ところが逃げ口上が尽き、引き受けざるを得ないことになりました。実際、時間のやりくりが大変でしたが、参加してみると、これが又案外楽しいものでした。子供に対する自分の接し方も変わってきました。
どうも男親は、子供の相手をするのが下手なんだ、という自覚を持って、「お父さんはいつも君たちを見守っているよ」とばかりにウンウンと頷きながら腕組みして格好つけているよりも、もう一歩前進して、子供の心に、あるいは直接的に触れてみると、子供というものはおもしろいものです。
その為の子供との接し方ノウハウを役員会の仲間内、父親業の先輩、あるいは学校の先生方からコッソリと盗み取れるのです。「ハハーンあの手があったか!」と、具体的に。

 

 

 

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